原子燃料サイクルについて

原子燃料サイクル概念図

原子力発電で一度使用したウラン燃料(使用済燃料)には燃え残ったウランや原子炉内で生成されたプルトニウムが含まれます。これらを再処理して取り出せば燃料として再使用すること、つまりリサイクルが可能です。このように燃料をリサイクルして利用する一連の流れを「原子燃料サイクル」といいます。

我が国はエネルギー資源の9割以上を輸入に依存しています。ウランも全量を輸入していますが、比較的政情の安定した国から輸入しており、産出地は世界各国に分散しているため、石油より供給の安定性にすぐれたエネルギー源といえます。また、原子燃料サイクルにより回収されるウランやプルトニウムは「準国産エネルギー資源」と考えられます。

キャスクとは

使用済燃料輸送キャスク

原子燃料サイクルの流れの中で使用済燃料の輸送や貯蔵に使用される専用の容器を「キャスク」と呼んでいます。キャスクは使用済燃料を再処理して得られる回収ウランとプルトニウムから製造されるMOX新燃料の輸送にも使用されます。

キャスクは原子燃料をリサイクルする上で重要な役割を担っており、当社のキャスク関連技術は原子燃料サイクルの確立、ひいては我が国のエネルギー安定供給に貢献できるものと考えています。

キャスクの機能

原子炉から取り出した使用済燃料は発電所内の使用済燃料プールで冷却された後、キャスクを用いて輸送または貯蔵されます。キャスクには次の機能が必要となります。

1

放射性物質の閉じ込め(一次蓋、二次蓋)

金属製ガスケット(金属製パッキン)を付けた蓋を二重に設ける構造とすることなどにより放射性物質を閉じ込めます。

2

放射線を遮蔽(中性子遮蔽体、胴)

胴部にガンマ線を遮蔽する鉄や鉛などの重い物質や合成樹脂など水素原子を多く含む中性子遮蔽材を用いて放射線量を十分低減させます。

3

臨界の防止(バスケット)

バスケット(仕切版)で使用済燃料の間隔を保ち臨界(核分裂の連鎖反応)が起こらないようにします。

4

除熱(伝熱フィン)

使用済燃料から発生する熱を熱伝導に優れた伝熱フィンなどによりキャスクの表面に伝え外気で冷却します。

キャスク構造と安全機能

これらの機能により、キャスク外部の放射線量や温度は人が近づいて作業をしても問題のない状態に保たれています。
必要な機能を担保しつつ、輸送や貯蔵を効率的に行えるキャスクを設計するためには高度な技術が必要となります。